配管のテーパーねじと平行ねじについて解説!R、Rc、Gって何??

プラント(設備)
スポンサーリンク

皆さんは、配管のねじ接続には「テーパーねじ」と「平行ねじ」があることを知っていましたか?

名前は聞いたことがあっても、入社当時の私のように、

テーパーねじと平行ねじって何が違うの?

図面や配管部品のカタログを見てもテーパーねじか平行ねじか判別できない

R、Rc、Gって書いてあるけど何を表しているの?

テーパーねじと平行ねじは、配管について学ぶうえで基礎となる重要な知識です。

また、継手やバルブ、圧力計など、ねじ接続されるさまざまな配管部品を理解するためにも、まずはこの違いを押さえておく必要があります。

そこで本記事では、皆さんが配管のテーパーねじと平行ねじの違いが分かり、さらに図面やカタログで両者を見分けられるよう、テーパーねじと平行ねじの形状、役割、接続方法、図面やカタログでの表記方法について解説します。

この記事で分かること

  • 配管のテーパーねじと平行ねじの形状と役割、接続方法がそれぞれ分かる
  • 配管のテーパーねじと平行ねじの液体や気体の漏れを防ぐ仕組みが分かる
  • 配管のテーパーねじと平行ねじの図面やカタログにおける表記方法が分かる

この記事で身につくこと

  • 図面やカタログに「R1/4」「Rc1/4」「G3/8」などと記載されていても、それがどの種類のねじなのか、どのような方法で接続・シールするねじなのかを理解できるようになる

実務でどう役立つ?

  • 継手・バルブ・計器などの配管部品を確認するときに、ねじの種類や組み合わせを間違えるリスクを減らすことができる
  • 「なぜこのねじにはシールテープを使うのか?」「なぜこちらにはガスケットが必要なのか?」といった、ねじ接続の仕組みについても理解できるようになる
<strong>武将</strong>
武将

文系出身で現在プラントエンジニアリング業界に従事する武将が、自身の経験を踏まえてわかりやすく解説しますので、ぜひ一緒に学んでいきましょう!!

まずはこれだけ!R・Rc・G早見表

配管図面やカタログでよく目にする「R」「Rc」「G」は、それぞれ次のねじを表しています。

表記ねじの種類おねじ・めねじ基本的な組み合わせ
R管用テーパーねじおねじR × Rc
Rc管用テーパーねじめねじR × Rc
G管用平行ねじおねじ・めねじG × G

ひとまず、R・Rc・Gをしっかり覚えておきましょう!

それぞれのねじの形状や役割、接続方法については、このあと順番に解説していきます。

スポンサーリンク

ねじ規格のおさらい

テーパーねじと平行ねじを解説する前に、まずはねじの規格についておさらいします。

いやいや早くテーパーねじと平行ねじについて教えろや!!と思った皆さん、少しだけお待ちください笑

ここで説明する内容は、この後のテーパーねじと平行ねじを理解するための前提知識になります。

特に、この後説明する「異なる規格・種類のねじは一緒に使えない」という考え方は、実務でも重要になりますので、ぜひ目を通しておいてください!

日本のねじ規格

皆さんは、日本では以下のねじ規格が使われているということを知っていましたか?

知らなかったという方、ご安心ください!すべて覚えておく必要はありません!

皆さんがこの中で覚えておくべきなのは、「メートルねじ規格」と「管用ねじ規格」です。

「メートルねじ規格」←最も身近なねじ規格

  • ボルトやナットのねじ規格
  • 一般的なボルトやナットはこのメートルねじ規格で製作されている
  • メートルねじ規格は「M20×50Ls」や「M10」のようにサイズ表記の先頭に「M」がつく
    (↑このサイズ表記は皆さんも見たことがあるんじゃないでしょうか?)

「管用ねじ規格」←本記事の主役

  • 配管(継手、バルブ、計器を含む)を接続するためのねじ規格
  • 管用ねじ規格には、本記事で解説する「管用テーパーねじ」と「管用平行ねじ」の2種類がある

そして、ここまでで皆さんに理解しておいてほしいのは次の2点です。

  1. 本記事で解説する「配管のテーパーねじと平行ねじ」とは、「管用テーパーねじ」と「管用平行ねじ」のことである
  2. ボルトやナットに使われるメートルねじと、配管などに使われる管用ねじは規格が異なるということ

ねじ規格の大前提

ボルト・ナットと配管のねじは規格が異なることが分かったところで、ここからはねじを扱う上での大前提を説明します。そしてこの内容が絶対押さえておいてほしい内容です。

ねじ規格の大前提:

異なる規格・種類のねじは一緒に使えない

どういうことなのか?例を使って説明します。

例1:配管の雄ねじとナットは組み合わせて使用できない
→ 配管に使われる管用ねじと、一般的なナットに使われるメートルねじでは規格が異なるため。

例2:配管の雌ねじとボルトは組み合わせて使用できない
→ 配管に使われる管用ねじと、一般的なボルトに使われるメートルねじでは規格が異なるため。

例3:管用テーパーねじと管用平行ねじを、自由に組み合わせて使用することはできない
→ 同じ管用ねじでも、管用テーパーねじと管用平行ねじでは種類や用途が異なるため。

見た目が似ていたり、実際に途中までねじ込めたりする場合でも、「ねじ込める=正しい組み合わせ」とは限りません。正しい組み合わせでないと、ねじ山を傷めたり、しっかり接続できなかったり、配管内部の流体が漏れたりする原因になります。

ねじを接続するときは、そのねじがどの規格・種類なのかを確認することが大切です。

<strong><span class="fz-18px">武将</span></strong>
武将

私自身、この大前提を知らず、例1と例2は可能だと思い込んでおり、恥ずかしい思いをしました笑
皆さんは恥ずかしい思いをしないよう、この大前提をしっかり覚えておきましょう!

ここからは実際のねじ接続について詳しく見ていきます。

そもそも配管にはどのような接続方法があり、その中で「ねじ接続」がどのような位置づけなのか分からない方は、こちらの記事をご覧ください!

管用テーパーねじ

ではここから本題となる管用テーパーねじと管用平行ねじを解説していきます!

まずは、管用テーパーねじです。

管用テーパーねじの 形状

  • 下図のように、先端にいくほどねじの直径が細くなっている形状
  • つまり、ねじ全体がわずかに「先細り」になっている

管用テーパーねじの 役割

  • 管用テーパーねじの役割は、配管内を流れる液体や気体が、ねじ接続部から漏れないようにすること
  • 管用テーパーねじは先端にいくほど細くなっているため、ねじを締め込んでいくと、途中からおねじとめねじのねじ山同士が強く接触するようになる
  • そのため、液体や気体が漏れにくい接続にすることができる

管用テーパーねじの 接続方法

  • 管用テーパーねじは、「基本的に」同じ呼び径の管用テーパーおねじと管用テーパーめねじを組み合わせて接続する。
    • この「基本的に」という書き方をしている理由は、一部例外が存在するからです。その例外については後ほど説明します。
  • 管用テーパーねじを接続するときは、おねじ側にシールテープなどのシール材を施工してから、めねじにねじ込む

「テーパー形状なら漏れにくいのに、なぜシール材が必要なの?」

と思った方もいるかもしれません。

なぜなら、ねじは機械で加工してつくられるため、すべてのねじをまったく同じ寸法・形状につくることはできず、決められた範囲内でわずかな製造誤差が生じるからです。

また、ねじ山の山頂と谷底などには、構造上わずかな隙間が残ります。

そのため、おねじとめねじを締め込んでも、ねじ山同士がすべての部分で完全に密着するわけではありません。

そこで、シールテープなどのシール材を使って、ねじ山同士の間に残るわずかな隙間をふさぎます。

つまりシール材は、ねじ山同士の間に残るわずかな隙間をふさぎ、配管内の液体や気体が漏れないようにするものと覚えておきましょう!

<strong><span class="fz-18px">武将</span></strong>
武将

「テーパー形状によって漏れにくくする」+「シール材でわずかな隙間をふさぐ」

この2つによって、ねじ接続部から液体や気体が漏れないようにしているとイメージすると分かりやすいです!

管用平行ねじ

続いて、管用平行ねじについて解説します。

管用平行ねじの 形状

  • 下図のようにねじの直径がほぼ一定で、ねじ山が配管の軸に対して平行になっている形状
  • 管用テーパーねじのように先端に向かって細くならず、根元まで同じ太さになっているのが特徴

管用平行ねじの 役割

  • 管用平行ねじの主な役割は、継手や計器などの部品同士を、ねじで締め付けて固定すること←機械的に結合すること
  • 管用平行ねじは、圧力計などの配管部品を配管に固定するためのねじとして使用される。

管用平行ねじの 接続方法

  • 管用平行ねじは、同じ呼び径の管用平行おねじと管用平行めねじを組み合わせて接続する
  • 下図のように、シール部品(ガスケットやOリングなど)を間に挟んでねじ込む。
  • シール部が確実に押し付けられる位置まで締め込む

管用平行ねじは機械的な結合を目的としていますが、配管である以上、流体を漏らしてはいけません。

しかし、管用平行ねじは管用テーパーねじのように漏れを防ぐ形状にはなっていないため、ネジ部とは異なる場所で漏れを防ぐ必要があります。それがガスケットやOリングといったシール部品です。

これらを部品同士が接する部分に挟み、ねじを締め込んで押し付けることで、液体や気体の通り道をふさぎ、漏れを防いでいるのです。

管用テーパーねじと管用平行ねじの表記方法

続いて、管用テーパーねじと管用平行ねじの表記方法を解説します。

これを覚えておけば、配管図面や配管部品のカタログを見たときに、そのねじが管用テーパーねじなのか、管用平行ねじなのかを見分けられるようになります。

では早速結論をお伝えします。図面やカタログでは、管用テーパーねじと管用平行ねじを次の記号で表します。

  • 管用テーパーねじ:R、Rc
  • 管用平行ねじ:G

上記を見て、皆さんの中には「RとRcは何が違うの?」「Gはおねじ?めねじ?」と思った方もいるかもしれません。

ここから、皆さんの疑問を解説するためにそれぞれの意味を順番に解説していきます。

管用テーパーねじの表記方法

管用テーパーねじは、おねじとめねじで表記が異なります。

まず、管用テーパーねじのおねじは以下のように表します。

管用テーパーねじのおねじ:R+呼び径B

例:「R1/4の継手」←8A(1/4B)の管用テーパーおねじの継手 という意味。

一方、管用テーパーねじのめねじは以下のように表します。

管用テーパーねじのめねじ:Rc+呼び径B

例:「Rc1/4のバルブ」←8A(1/4B)の管用テーパーめねじのバルブ という意味。

つまり、「R1/4とRc1/4で何が違うか?」というと、ねじの呼び径は同じですが、「R」と「Rc」の違いによって、おねじなのか、めねじなのかが違うということです。

ここで注意です!:管用テーパーねじは「PT」と表記されている場合もある

現場や古い図面、カタログなどでは、管用テーパーねじが「R」「Rc」ではなく、旧JISで使われていた「PT」と表記されていることがあります。(例えば、PT1/4など)

この「PT」はおねじ・めねじ共通して使われます。

結構、今でもバルブや継手の図面・カタログなどで「PT」という表記を目にすることがあるため、

「PTが出てきたら、管用テーパーねじの旧表記だな」と分かる程度には覚えておきましょう!

補足:「Rp」というねじもある

この内容は補足となりますが、見出し「管用テーパーねじ」内の「接続方法」で説明した、管用テーパーねじの組み合わせには「一部例外が存在する」の内容になります。

実は管用テーパーねじには「R」「Rc」以外に「Rp」という種類が存在します。

この「Rp」は、「R」のテーパーおねじと組み合わせて使用する平行めねじです。

<strong>武将</strong>
武将

「平行めねじなのに、管用テーパーねじなの?どういうこと?」と思われた方、ご安心ください。詳しく説明します!

Rpは形状こそ平行ですが、JIS B 0203「管用テーパねじ」の規格の中に含まれており、Rのテーパーおねじと組み合わせて使用します。「Rp」は「管用テーパねじ」の規格の中に含まれるため、「管用平行ネジ(G)」とは別のねじと考えてください。

そのため、正確には管用テーパーねじには、

  • Rのおねじ × Rcのめねじ
  • Rのおねじ × Rpのめねじ

という組み合わせがあります。

初心者のうちは、

「基本はRとRcを組み合わせる。Rと組み合わせて使うRpというめねじもある」

程度に覚えておけば大丈夫です。

管用平行ねじの表記方法

管用平行ねじは以下のように表します。

管用平行ねじ(おねじ・めねじ共通):G+呼び径B

例:「G3/8の圧力計」←10A(3/8B)の管用平行ねじが切られた圧力計 という意味。

管用テーパーねじでは、

  • おねじ → R
  • めねじ → Rc

と表記が分かれていましたが、管用平行ねじでは、おねじ・めねじともに「G」と表記します。

<strong>武将</strong>
武将

「それだと、おねじなのか、めねじなのか分からないんじゃないの?」

と思うかもしれませんが、図面やカタログでは部品の形状なども一緒に示されているため、実際にはそこから判断することができるので、ご安心ください!

発展知識:海外の主な管用ねじ規格と互換性

ここからは発展知識として、海外で使われる代表的な管用ねじについて簡単に紹介します。

ただし、この内容は必ず覚えておく必要はありません。

海外メーカーの機器や継手を扱うときに、「RやGとは違うねじが使われることもあるんだな」と知っておく程度で大丈夫です!

アメリカで使われるNPT

アメリカで代表的に使われている管用テーパーねじがNPTです。

NPTも管用テーパーねじなので、見た目は日本で使われるR・Rcとよく似ていますが、規格が異なるため、

  • NPT:ねじ山の角度が60°
  • R・Rc:ねじ山の角度が55°

という違いがあります。

また、サイズによっては、ねじ山のピッチも異なります。

そのため、NPTとR・Rcは基本的に組み合わせて使用できません。

見た目が似ていて、途中までねじ込める場合があっても、正しい組み合わせではないので注意しましょう。

BSPT・BSPP

海外製品のカタログでは、

  • BSPT:管用テーパーねじ
  • BSPP:管用平行ねじ

という表記を目にすることがあります。

BSPTはISO 7-1系の管用テーパーねじ、BSPPはISO 228-1系の管用平行ねじとして扱われています。

日本の規格も、

  • JIS B 0203(R・Rc・Rp)→ ISO 7-1系
  • JIS B 0202(G)→ ISO 228-1系

となっているため、BSPTとR・Rc、BSPPとGは同じ系統のねじです。

ただし、海外製品を実際に接続するときは、

「BSPTだからRと必ず接続できる」「BSPPだからGと必ず接続できる」と名称だけで判断せず、製品に記載された適用規格を確認する

ようにしましょう。

海外の管用ねじで覚えておきたいこと

初心者のうちは、次の内容だけ覚えておけば十分です。

  • NPT → アメリカで使われる代表的な管用テーパーねじ。R・Rcとは基本的に互換性なし
  • BSPT → R・Rcと同じISO 7-1系の管用テーパーねじ
  • BSPP → Gと同じISO 228-1系の管用平行ねじ

海外メーカーの機器を使用するときは、見た目だけで判断せず、図面やカタログでねじ規格を確認することが大切です。

<strong><span class="fz-18px">武将</span></strong>
武将

海外のねじ規格については、皆さんが働いている職場で海外製の機器を扱うかどうかによって、覚える必要があるか判断してもらえれば大丈夫です!

まとめ

今回は皆さんが配管のテーパーねじと平行ねじの違いが分かり、さらに図面やカタログで両者を見分けられるよう、テーパーねじと平行ねじの形状、役割、接続方法、図面やカタログでの表記方法について解説しました。

✔ 本記事の振り返りポイント

〇ねじ規格について

  • ボルトやナットなどに広く使われる「メートルねじ」と、配管などに使われる「管用ねじ」は異なる規格
  • 配管のテーパーねじ・平行ねじとは、「管用ねじ規格」の中の「管用テーパーねじ」と「管用平行ねじ」のこと
  • ねじ規格の大前提:異なる規格・種類のねじは一緒に使えない

〇管用テーパーねじ

  • 形状
    • 端に行くにしたがってネジの直径が細くなっている形状
  • 役割
    • 配管内部の液体や気体が、ねじ接続部から漏れないようにする
    • ねじを締め込むと、おねじとめねじのねじ山同士が強く接触し、漏れにくくなる
  • 接続方法
    • 基本的には、同じ呼び径の管用テーパーおねじと管用テーパーめねじを組み合わせる
    • おねじ側にシールテープなどのシール材を施工してから、めねじにねじ込む
    • ねじの製造誤差や構造上残るわずかな隙間を、シール材でふさぐことで漏れを防ぐ

〇管用平行ねじ

  • 形状
    • ねじの直径がほぼ一定で、根元までほぼ同じ太さ
  • 役割
    • 継手や計器などの部品同士を、ねじで締め付けて固定する(←機械的に結合する)
  • 接続方法
    • 同じ呼び径の管用平行おねじと管用平行めねじを組み合わせる
    • ガスケットやOリングなどのシール部品を使用する
    • シール部が確実に押し付けられる位置までねじを締め込む

〇管用テーパーねじと管用平行ねじの表記方法

  • 管用テーパーねじ(おねじ):R(旧JISで使われていたPT表記の場合もあり)+呼び径B
  • 管用テーパーねじ(めねじ):Rc(旧JISで使われていたPT表記の場合もあり)+呼び径B
  • 管用平行ねじ(おねじ・めねじ共通):G+呼び径B

上記の内容を理解しておくことで、管用テーパーねじと管用平行ねじの違いと表記方法が分かるだけでなく、継手やバルブといったそのほかの配管部品への理解が深まる。というより、配管部品を理解する上で必須知識です。

そして今回の記事の内容を覚えた皆さんは、継手やバルブといった配管部品を理解するための土台が完璧に出来上がっていますので、ぜひとも忘れないうちに、継手やバルブについても学んでいきましょう!

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました