『必須知識』ボルト、ナット、ワッシャーとは?形状と役割を解説!!

機械部品

こんにちは!さっそくですが、皆さんはこんな疑問を持ったことはないでしょうか?

さすがにボルトとナットは知ってるけどワッシャーって何?なんのために使うの?

なんでこの場所にボルト・ナット・ワッシャーが使われているんだろう?設計者の意図が分かんないなあ~

今回はそんな疑問を解決できるよう、ボルト・ナット・ワッシャーの形状を写真と併せて紹介するとともに、後半ではボルト・ナット・ワッシャーの最低限覚えておきたい5つの役割をわかりやすく解説します。

この記事で得られるメリット
ボルト、ナット、ワッシャーの基本的な形状と役割を理解することができる

そして、、、
ボルト、ナット、ワッシャーを選定した設計者の意図を正しく読み取れるようになる

さらに、、、
設計者や製造部門とこの前提知識をもとに対等に議論できるようになる

<span class="fz-18px"><strong>TK</strong></span>
TK

文系出身でプラントエンジニアリング業界に勤務し、日々、工程管理や資材調達の業務をしているTKが分かりやすく解説しますので、ぜひ一緒に学んでいきましょう!!

ボルト、ナット、ワッシャーの形状

ボルト、ナット、ワッシャーとは?聞いたことはあるけど具体的にどんな部品のことを指してるの?

こういった疑問を解決するために、まずはボルト、ナット、ワッシャーの形状を説明していきます。

ボルトの形状

  • ボルトとは「雄ネジ」が切ってある、軸状の部品
  • 雄ネジ」とは写真のように外側にネジ山が切ってあるものをいう
  • ボルトは基本的に「」と呼ばれる部分があり、」の形状に合った工具を使用して締結する

ナットの形状

  • ナットは穴が開いていて、穴の内側に「雌ネジ」が切ってある部品
  • 雌ネジ」とは写真のように内側にネジ山が切ってあるものをいう
  • ボルトをナットの穴にねじ込んで使用する

ワッシャーの形状

  • ワッシャーは写真のように穴の開いたリング状の部品
  • ワッシャーは主に「平」ワッシャー「ばね(スプリング)」ワッシャーがある
  • ワッシャーは座金とも言う
  • 写真のようにナットとボルトの間に挟み込むように使用する

ボルト、ナット、ワッシャーの役割

つづいて、最低限覚えておきたいボルト、ナット、ワッシャーが果たす役割を紹介していきます。
以下で紹介する役割さえ最低限覚えておけば、なぜこの場所にボルト、ナット、ワッシャーを使用したのか?という設計者の意図が分かるようになります!

役割①:物体と物体を締結する役割

これについては、皆さんも一番最初に思いつくのではないでしょうか?
下の写真のようにボルトとナット(ワッシャーも一緒に使用することが多い)を使用することで、部品同士を固定することができます

役割②:取り外し可能という役割

この役割は、ボルト、ナット、ワッシャーを使用することで得られる非常に大きな利点の一つです。
なぜなら、物体同士を固定する方法はボルト、ナットで締結する方法以外に、溶接という方法がありますが、いざ固定部を取り外したいとなった際に以下のように大きな違いがあるからです。

例えば、保守点検時にたびたび分解する必要がある場所や、工事現場への輸送時には取り外しておきたい場所の固定方法はボルト固定とすることが多いです。

役割③:物体の位置を調整する役割

これについては、うん?どういう意味?と思う方もいらっしゃると思います。
が、結構この役割を持たせるためにボルト、ナットを使用している事も多いんです!

上のイラストのように、床が水平でなく洗濯機や冷蔵庫がガタガタするときは、足部のボルトやナットを回すことで高さを調整することができます。プラントエンジニアリングの業界でも、洗濯機や冷蔵庫の足についているネジの構造と同じ方法で、物体の位置を「リニア※」に調整するためにボルトやナットを頻繁に使用します。

追加情報
モノを製作する場合、必ず寸法の誤差は発生します。その誤差に対して許容できる範囲は業界によって異なり、例えば医療機器や電子部品の業界は許容できる範囲は非常に狭いです。しかし、プラントエンジニアリングの業界では大型の設備を製作することも多く、すべての寸法を高い精度で製作することは無駄にコストを上昇させることにつながります。そのため、重要ではない箇所の寸法は許容できる誤差の範囲を広くし、製作コストを下げます。
そして、そのコスト低減のために発生した誤差を上手に吸収して設備を組立て、正常に動作させることができる重要な部品の一つが、位置を調整する役割を持たせたボルトやナットなんです!!

※リニアに:途切れることなく、無段階で、という意味。(設計者がよく使う言葉です。)

役割④:ワッシャーとスプリングワッシャーの役割

ここまでボルトとナットがあれば済む役割ばかりでしたが、、、やっとワッシャーの役割の説明に入ります。ワッシャーは上述の「平」「スプリング(ばね)」で役割が異なります。

平ワッシャー

平ワッシャーの最低限知っておきたい主な役割は、

ボルトやナットよりも広い面積で締結時の圧力を受けるため、部品の陥没や損傷を防ぐことができる

です。

ボルトやナットのみで部品を固定するとき、締結時の圧力で部品が陥没し、損傷することがあります。部品が陥没するとボルトやナットが緩みやすくなりますし、重要な部品を損傷させ不具合が出ることは避けたいです。

特に、部品に空いているボルト穴が長孔(ながあな;下図右側の穴)の場合、締結時の圧力を受ける面積がより小さい(=小さい面積により大きな力がかかる)ため、部品の陥没や損傷が起こりやすいです。そのため、長孔の箇所には通常、平ワッシャーを入れることが多いです。

スプリングワッシャー

平ワッシャーの最低限知っておきたい主な役割は、

部材に食い込み、ボルトやナットの緩みを防止する

です。

下の写真のようにスプリングワッシャーは切れている部分が締結時にボルト・ナットにも部品にも食い込み、緩みを防止します。また、ばねの反発力も緩み防止の役割を果たします。
一方、部品にスプリングワッシャーが食い込むため、部品を損傷させることがあります。それを避ける意味でスプリングワッシャーと平ワッシャーを重ねて入れることも多いです。

まとめ

今回はボルト、ナット、ワッシャーの形状と役割について解説しました。
形状については写真を見てイメージしていただき、以下の最低限覚えておきたい役割を理解しておいてください。

ボルト、ナットワッシャーの最低限覚えておきたい役割

  • 物体と物体を締結する役割
  • 取り外し可能という役割
  • 物体の位置を調整する役割
  • 平ワッシャー:部品の陥没や損傷を防ぐ
  • スプリングワッシャー:ボルト、ナットの緩みを防止する

上記の役割を理解することで、「なぜこの場所にボルト、ナット、ワッシャーが使われているのか?」が分かるようになります。また、この前提知識をもとに設計者や製造部門の関係者と対等に議論することができるようになります。

そして、ボルト、ナット、ワッシャーはプラントエンジニアリング業界に限らず、あらゆる製造業で最も使用されている部品といっても過言ではありません。街中でもよく見かける部品ですので、「あそこは何で溶接ではなくボルト固定なんだろう?」や「お、ちゃんとスプリングワッシャー入ってるな~」などを考えてみると、勉強にもなるだけでなく、普段の景色が少し新鮮に見えて楽しいと思いますので、ぜひ少し気にかけて探してみてください!!

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